栄町ソープの人間模様

○栄町ソープで童貞を捨てる

ひとしきり自慰にふけった翌日、僕は千葉栄町のソープ街へと足を運んだ。その手の話に詳しい男友達から千葉栄町のソープ嬢である彼女のいる店の情報を事前に聞き出し、食い違いがないかどうか確認してから店に入る。料金やシステム的なことは話に聞いていたが、何分初めてのことで勝手がわからず気恥ずかしさも相まってやたらと時間がかかった気がする。受付の写真から自分で風俗嬢を指名することを写真指名という。確かに、昨日顔を合わせたばかりの彼女の写真がそこにはあった。なぜ急に栄町ソープに行こうと思ったのかは自分でもよくわからない。童貞ということに誇りも感慨もない。別に焦りがあるわけでもない。ただなんとなく、そうしなければならないと思った。過去と決別するためにはどうしても必要な儀式なのだと本能で理解していたのかもしれない。 部屋へと通され、浴室で彼女手ずから全身を洗われる。慣れた手つきはたいへん気持ちよく、生理的には興奮したが感情的には悲しくなった。一通りの行為を終え、童貞を卒業した僕は彼女にいくばくかのチップを払って店を後にした。 外に出る。夕日が沈んでいく。僕は彼女との濃厚な時間を思い出しながら、弱くなっていく日の光をじっと見ていた。

○栄町ソープで働く風俗嬢の経験

いつ風俗で働くことになったのだろうと自分に問いかけることがある。友達の中には遊ぶ金目的でやっていた子もいたが、まさか自分がソープ嬢になるとは思いもしなかった。中学、高校までは順風満帆だった。気がする。少なくとも私はそう思っている。失ってから初めてその価値に気付くとよく言われているが、失う前に気付ける人間は本当に少ない。現に私は違った。私は地元である千葉県が嫌いだった。嫌いというよりも大都会に憧れを抱きすぎていて、嫌なものばかりに目がいっていたのだと思う。一人暮らしを始めたことがこうなってしまったきっかけだったような気がする。当時付き合っていた彼氏に嵌められたのだ。顔立ちはよく、お金にはだらしなかったがそれでもあか抜けた雰囲気が素敵だった。その彼氏は私と付き合う以前にいわゆる闇金のような場所から多額の借り入れをしていたらしい。私は借金のカタに売られたのだ。「風俗に売られる」までには紆余曲折があったし、現在では進んで働いている人ばかりだからおかしな話ではあるのだが。しかし、今更言ってもしょうがない。その人もその人で必死だったのだろう。恋は盲目とはよく言ったものだ。その日から、千葉栄町のソープ店で男性客に奉仕をすることが私の日常となったのだ。命があって風俗嬢であるだけマシなのだろうか?私は一体どこで間違えてしまったのだろうか?そんな思いを抱えながら今も栄町ソープで働いている。